「節税」という言葉、なんとなく自分には関係ないと思っていませんか。
年収400万円台の人が「何もしない」と、毎年数万円〜十数万円を余分に払い続けています。
難しい話ではありません。3つだけ知っておけば、今年から変わります。
年収400万円台が「何もしない」と損する金額
年収400万円の会社員が何も対策しない場合、所得税と住民税を合わせて年間約40〜50万円を支払います。
ここから節税できる金額は、対策次第で年間5〜15万円変わります。
5万円の節税を10年続けると50万円。これが「知っている人と知らない人の差」です。
節税①:ふるさと納税(最も簡単・即効性あり)
年収400万円の独身の場合、約4〜5万円分のふるさと納税が可能です。
2,000円の自己負担で、その分の住民税が翌年に控除されます。さらに返礼品(肉・魚介・米など)がもらえるため、実質的に食費の節約にもなります。
「ワンストップ特例制度」を使えば確定申告不要で手続きが完了します。
節税②:iDeCo(老後資金を作りながら節税)
iDeCoは月々の掛金が全額所得控除になります。
月2万円をiDeCoに積み立てると、年収400万円の場合で年間約4万円の節税効果があります。しかも、その2万円は老後の資産として積み上がります。
デメリットは60歳まで引き出せないこと。生活防衛資金(3〜6ヶ月分)を確保した上で始めるのが基本です。
節税③:医療費控除(知らないと損しているケース多数)
年間の医療費が10万円を超えた場合、超えた分が所得控除の対象になります。
家族分を合算できるので、共働き夫婦の場合は収入が高い方の申告にまとめると効果的です。歯科・眼科・通院交通費も対象になります。
ふるさと納税の仕組みをもう少し詳しく
ふるさと納税は「寄付」という形を取りながら、実質的には住民税と所得税の前払いに近い制度です。仕組みを理解しておくと、なぜ2,000円の自己負担だけで済むのかが分かります。
自治体に寄付した金額のうち、2,000円を超える部分が、翌年の住民税および当年の所得税から控除されます。つまり「寄付した金額-2,000円」が、本来支払うはずだった税金の前払いに充てられる仕組みです。返礼品はこの制度の副産物であり、寄付先の自治体が寄付額の一部(おおむね3割以内という基準がある)を返礼品として提供しています。
控除には上限額があり、年収や家族構成(扶養家族の有無、配偶者控除の有無など)によって変わります。上限額を超えて寄付をしてしまうと、超えた部分は純粋な寄付(自己負担)になってしまうため、事前にシミュレーションで自分の上限額を確認しておくことが重要です。ふるさと納税ポータルサイトの多くが、年収と家族構成を入力するだけで概算の上限額を計算できるツールを提供しています。
iDeCoの節税効果を支える3つの仕組み
iDeCoが「三重の節税メリットがある」と言われるのは、次の3つの段階でそれぞれ税制優遇があるためです。
①掛金が全額所得控除
毎月の掛金がその年の所得から差し引かれるため、所得税・住民税がその分軽減されます。年収400万円台の会社員の場合、掛金の15〜20%程度が税負担の軽減につながることが一般的な目安です。
②運用益が非課税
通常、投資信託などの運用益には約20%の税金がかかりますが、iDeCo口座内での運用益には税金がかかりません。長期間の運用になるほど、この非課税メリットの効果は大きくなります。
③受け取り時にも控除がある
60歳以降に受け取る際も、「退職所得控除」または「公的年金等控除」の対象になるため、受け取り方によっては税負担を抑えることができます。
ただし、掛金には上限額があり、会社員か自営業か、企業年金の有無によって上限が異なります。会社員(企業年金なし)の場合は月額2万3,000円が上限となるのが一般的です。加入前に自分の上限額を確認しておく必要があります。
医療費控除の具体的な計算方法
医療費控除の金額は、次の計算式で求められます。
医療費控除額 =(1年間に支払った医療費の合計-保険金などで補填された金額)-10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)
対象になる医療費の範囲は意外と広く、病院の診察代や薬代だけでなく、通院のための交通費(公共交通機関)、市販薬の一部、歯科矯正(治療目的の場合)なども含まれます。逆に、美容目的の施術や、人間ドックの費用(重大な疾病が見つからなかった場合)は対象外になるなど、線引きがあるため注意が必要です。
共働き世帯の場合、家族の医療費を合算して、所得税率が高い方(=納税額が多い方)が申告することで、還付される金額が大きくなる傾向があります。世帯全体でレシートや領収書をまとめて管理しておく習慣が、この控除を取りこぼさないための基本です。
見落とされがちな控除:生命保険料控除
生命保険や医療保険、個人年金保険に加入している場合、支払った保険料に応じて「生命保険料控除」を受けられます。一般生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3区分があり、それぞれ上限額(所得税で各4万円、住民税で各2万8,000円が目安)まで控除の対象になります。
年末調整の際に保険会社から送られてくる「保険料控除証明書」を提出するだけで手続きが完了するため、対象になる保険に加入している人は、年末調整の書類に記入漏れがないかを確認しておくとよいでしょう。
該当者は要チェック:住宅ローン控除
住宅ローンを組んでマイホームを購入した場合、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」の対象になることがあります。年末時点のローン残高の一定割合が、所得税・住民税から控除される制度です。控除期間は原則13年間(条件により10年)と長期にわたるため、対象となる人にとっては節税効果が大きい制度の一つです。
初年度は確定申告が必要ですが、2年目以降は年末調整で手続きが完結します。控除を受けるための要件(床面積、所得制限など)が細かく定められているため、購入時に金融機関や税理士に確認しておくと安心です。
年末調整と確定申告、どちらで手続きすべきか
会社員の場合、多くの控除は「年末調整」で完結しますが、一部の控除は自分で「確定申告」を行う必要があります。この違いを理解しておくと、控除の取りこぼしを防げます。
年末調整で対応できるもの
生命保険料控除、地震保険料控除、iDeCoの掛金控除(小規模企業共済等掛金控除)、2年目以降の住宅ローン控除などは、会社に必要書類を提出することで年末調整の中で処理されます。
確定申告が必要なもの
医療費控除、ふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)、住宅ローン控除の初年度、副業の所得がある場合などは、翌年2〜3月の確定申告期間に自分で申告する必要があります。
ふるさと納税については、寄付先の自治体数が5団体以内であれば「ワンストップ特例制度」を使うことで確定申告が不要になります。ただし、医療費控除など他の理由で確定申告を行う場合は、ワンストップ特例の申請をしていても無効になり、ふるさと納税の分も確定申告に含める必要がある点に注意が必要です。
節税を考えるときに注意しておきたい落とし穴
節税に関心を持つこと自体はよいことですが、いくつか注意しておきたい点もあります。
扶養控除の範囲を超えないよう注意
配偶者控除や扶養控除を受けている場合、iDeCoの掛金拠出や副業収入によって、扶養の範囲(年収の壁)を超えてしまうと、かえって世帯全体の手取りが減ってしまうケースがあります。個々の控除だけでなく、世帯全体の手取りへの影響を考える視点が必要です。
iDeCoは流動性が低いことを理解する
節税効果だけを見てiDeCoの掛金を増やしすぎると、60歳まで引き出せない資金が生活を圧迫する可能性があります。まずは生活防衛資金を確保した上で、無理のない金額から始めることが基本です。
ふるさと納税の上限額を超えない
返礼品欲しさに上限額を超えて寄付をしてしまうと、超えた分は控除の対象にならず、単なる寄付(実質的な支出増)になってしまいます。年の途中で収入が変わった場合は、年末に上限額を再計算しておくと安心です。
控除を取りこぼさないための年間スケジュール
節税・控除の手続きには、それぞれ期限があります。年間を通じたおおまかな流れを把握しておくと、手続き漏れを防げます。
①1〜12月:医療費のレシート・領収書を保管しておく、ふるさと納税は12月31日までに寄付を完了させる。②11〜12月:年末調整の書類(保険料控除証明書、iDeCoの掛金証明書など)を勤務先に提出する。③翌年1月:ふるさと納税のワンストップ特例申請書を寄付先自治体に送付する(寄付の都度、翌年1月10日必着が目安)。④翌年2月中旬〜3月中旬:医療費控除やその他確定申告が必要な控除について、税務署へ申告する。
この年間スケジュールを意識しておくと、「控除を受けられたはずなのに期限が過ぎていた」という事態を防ぎやすくなります。
よくある質問
Q. ふるさと納税とiDeCoは同時に利用できますか。
A. 併用は可能です。ただし、iDeCoで所得控除を受けると課税所得が下がるため、ふるさと納税の控除上限額もその分やや下がる点に注意が必要です。両方を利用する場合は、iDeCoの掛金額を踏まえた上でふるさと納税の上限額をシミュレーションすることをおすすめします。
Q. 年収400万円台でも住宅ローン控除は受けられますか。
A. 住宅ローン控除は年収による制限よりも、床面積や所得制限(多くの場合合計所得金額2,000万円以下など)が基準になるため、年収400万円台であれば要件を満たしていれば対象になります。
Q. 医療費控除は家族の分もまとめて申告できますか。
A. 生計を一にする家族(同居していなくても仕送りなどで生計を維持している場合を含む)であれば、医療費を合算して申告することができます。世帯の中で所得税率が最も高い人が申告することで、還付額が大きくなる傾向があります。
Q. 会社員でも副業をしていると節税の考え方は変わりますか。
A. 副業の所得が年間20万円を超える場合、給与とは別に確定申告が必要になります。副業が事業所得や雑所得として認められる場合、必要経費を差し引いて所得を計算できるため、経費として何が認められるかを理解しておくことも節税の一環になります。ただし、経費計上のルールを誤ると追徴課税のリスクもあるため、不明な点は税務署や税理士に確認するのが安全です。
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節税や家計改善を考える際は、保険や資産形成を含めて家計全体を無料で相談できるサービスを活用するのも一つの方法です。iDeCoやNISAも含め、目安として全体像を整理してみるとよいでしょう。
節税より効果が大きいこと
この3つを実践するだけで、年間5〜15万円の差が出ます。
ただ、節税は「払うお金を減らす」対策です。「入ってくるお金を増やす」対策と組み合わせると、効果は倍以上になります。給与交渉で市場価値通りの年収を得る方法も、あわせて押さえておくとよいでしょう。
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